ハヨ旦那転職列伝・参 〜ロンリーチャップリン〜
前回
ハヨ旦那は妻・ハヨネコさん(ハヨさん)が東京に転勤するというのを渋々承諾。
いろいろ考えているハヨさんに対して、泡立った尿、ではなく、ビールを飲むことしかできないハヨ旦那であった。
20XX年、春。
ハヨ旦那は衣装ポール、もといポールハンガーにまとわりついていた。
いつもまとわりついていたハヨさんが、単身、東京に行ってしまったからである。
平日は仕事に追われて、ラーメン食って帰って寝るだけ。
そして奥さんがいない休日は虚無であった。
バイオハザード4をやり直してみたり、アマプラで好みのマッチョ映画を見たりするも、虚無が止まらない。
ラーメンによって育った脂肪と虚無がコラボレーションして、にょーんとなっていた。
嗚呼、何故休日なのに、隣にハヨさんがいないのか。
ハヨさんは東京の友達と遊んでいるのだ。
オレも東京の友達と遊べばいいやん。
そしてハヨさんがヒマな時にハヨさんと遊べばいいやん。
金(交通費)はある。ハヨさんが単身赴任料を会社からせしめているから。
ハヨネコはすべてのイラストを自分で描くわけでは全く無い
ハヨ旦那はハヨさんの東京の住処に迎え入れられるなり、ハヨさんにまとわりついた。
すごい勢いでまとわりついた。
そしてバターになり
浮き輪になった。
ハヨ旦那は東京の友達と遊ぶこともあったが
結局ハヨさんとかなり遊んだ。
東京タワーを楽しんだり
上野の西郷どんにあいさつしたり
隅田川の花火を間近で楽しんだりした。
めちゃくちゃエンジョイしとるやんけ。
もちろんハヨさんが名古屋に帰ってくることもあった。
その時はその時で名古屋をエンジョイした。
しかし日曜の夕方になれば別れの時が来てしまう。
「せつないわね。」
ハヨさんはつぶやく。
ハヨ旦那も同じ気持ちであった。どんなに楽しい週末を過ごしても、平日にはそれぞれの職場のある町へ別れていかなければならない。
「でも今は東京の仕事が自分に合うか、この会社でやっていってもいいか、見極めの時期だからガマンガマン。半年ぐらいは頑張ってみないと。」
ハヨさんは自分に言い聞かせるように言った。
「ムリそうなら転職しちゃうんだから。とは言えメンをヘラってるから、貯金もあるし、少しのんびりしてもいいかもね。
で、ハヨ旦那は?」
「クッ」
寂しさを埋めたいと思いつつ、ハヨ旦那は今後について問われるといつも言葉に詰まってしまう。
「もしハヨさんが会社を辞めたら、俺一人の収入じゃ今のクオリティで生活するのは難しいと思うんだよね。今の会社じゃ給料も上がらないし。」
「うん。ていうか名古屋でがんばりたいの?」
「いや、名古屋はいいところだけど縁故があるわけでも無いから、一生住む決め手には欠けるよね。
とはいっても、今の会社で東京方面に転勤するのも難しいし…」
「そうだね。それ100回ぐらい聞いたよ。」
「ぐにゅう…」
ハヨさんは転職しろとは決して言わなかった。
しかし「転職する」と言わざるを得ない方向に話を持っていくのだった。恐ろしい女である。
ハヨさん本人的には悶々としたまま働き続けるなら状況を変えるアクションを取ってほしいだけで別にそれが転職でなくてもよかったのだが、まぁ普通に考えると転職するしかない感じになっちゃったねゴメンね、とのことである。
「わかった。まずは転職に関する情報収集からやっていこうと思う。」
ハヨ旦那はようやく行動することを宣言した。
すると、ハヨさんは待ってましたと言わんばかりに、誘いをかけてきた。
「えらい!そんなハヨ旦那くんにオススメのセミナーがあるのよ。」
「な、んだと…」
次回、「真・女神転職 デビルセミナー(マルチではない)」 Coming soon...