タピオカっていうかミルクティーが美味いのだよ
タピオカムーブメントが襲来して久しい。
昭和生まれの私にとっては、タピオカはココナッツミルクに沈んでいる透明なプチプチであったが、最近のタピオカは黒真珠が如き様相をしており、幼少期にすすっていたタピオカのそれとは相当に乖離している。
若者の間では「タピる」という動詞が浸透しているという。こんなこと言っていること自体に今更感あるぐらい久しい。昭和生まれの私はこのムーブメントが何時頃から来ているのかもうはっきりとは思い出せない。
今年の春か夏かのあくる日、横浜駅相鉄口付近をピヨピヨ歩いてたら、クイーンズ伊勢丹に尋常じゃない行列ができていた。
何かと思ったら、タピオカムーブメントに火をつけたと言われているゴンチャができていたのである。
そんなに並んでまで啜りたいのか、タピオカを…。
でもハヨさんは並ぶのが好きじゃないからな!永遠に飲むことはないだろう ありがとうタピオカ君を忘れない
とか言っていても、ブームというのは日常を浸食してくるものである。
私のファースト黒タピオカは糖朝だったような気がする。
7月末。クソ暑の日本橋駅近辺をフラフラしていたら、高島屋新館の地下入口にビジネス街にそぐわないピッピカチュウのパネルが立っていた。
糖朝のタピオカドリンクが特設コーナーに出店していたのである。
ピカチュウの言うには、「ここではスムージーにタピオカがはいってるんでチュウ!」ということ。
私はこの夏、フルーツのサッパリとした甘みに対する欲求が異常に高まっていたので、そういうことなら一ついただいてみよう、となった。
スムージーをピンポイントで欲していただけあり、スイカスムージーは美味しかった。
そして寒かった。ハヨネコは冷え性だったのだ。
カバンから上着を取り出して着ながら、私は思った。
「別にタピオカ無くていいな?」
こちらが後日、もう一度旦那と来店して飲んだマンゴースムージーピカチュウと台湾茶イーブイだピカ。逆光がすごいピカ。
マンゴースムージーはおいしかったピカ。しかしやはりタピオカの存在意義にはクエスチョンだったでチュウ。シャリシャリチュルチュルを味わいたいからスムージーなのに、何故プルプルピカピカ?若干の不協和音を感じたでチュウ。
一方の台湾茶。旦那から一口もらっただけだったピカ、おいしピッカー!しかし私はマンゴースムージーで身体がピカピカに冷えてしまい、もういいですってなってたでチュウ。
これをきっかけに、並ばなければタピオカドリンクを飲んでみようじゃないの、という気になり、私は機をうかがった。
日本橋の糖朝はロケーション的にナウなヤングがそんなに多くないのか、大して並ばずにタピオカを味わうことができた。世の流れは台湾料理を食べにきたのにタピオカ列に阻まれるほどであったところ、幸運な出会いだった。
次に飲んだのはモスバーガーの冬瓜茶タピオカだったと記憶している。
これは美味しかった。冬瓜とは…という気持ちになったが、やはり天下のモスさん。味に妥協がない。
しばらくして、ドトールのタピオカが美味しいよ、のブログ記事がはてなトップに長々君臨している昨今、ある日たまたま空いていた近所のドトールにふと入ったのが9月末のこと。
確かにドトールのタピオカミルクティーは美味しかった。ドリンク自体を無糖で出してもらえるので、タピオカの甘さを噛み締めながらガムシロで甘みを調整できるのがナイスだった。そしてミルクティーは無糖でも、美味。
評価されるタピオカドリンクは、ドリンクの方が美味しいことが大前提だということに私は気付きつつあった。
さて、台風19号が過ぎ去った翌日10月13日。
私と旦那は東京ソラマチにいた。
青空にスカイツリーが刺さっている。絵に描いたような台風一過。
昼過ぎは公共交通機関がまだ万全の状態では無く、ソラマチの客数はいつもの半分程度に感じられた。
客自体が少ないということは、いつも行列の店もそんなでもないのでは…?
我々はTHE ALLEY(ジアレイ)に並んだ。私の予想は的中。30分待ちが通常営業状態のところ、この日は10分もかからずレジにたどり着くことができた。
待っている間、後ろに並んでいる小学生に入るか入らないかぐらいの女の子が「タピる?タピる?」と言っていて衝撃を受けた。
本当に言ってるよ…!おねえさんの日常には若者が存在しないからな!
ゲット。タピオカドリンクについて語っているくせに完全にタピオカを隠しているところがセンスの無さを物語っておる。
私が頼んだのはロイヤルNo.9タピオカミルクティー。ブルーベリーの風味を加えたお茶だという。
おおおおお確かに、色には全く出てないけど一口飲めばめっちゃブルーベリー…!
ジアレイでは、甘さと氷の量を調整することができる。初心者は両方普通がオススメとあったので私は何もしなかったけど、旦那が頼んだアールグレイタピオカミルクティーの微糖をもらったら、ちょっと甘さ控えめぐらいのがちょうどよかった。
ていうかお茶が美味いんだよお茶が。ゴンチャもジアレイもタピ屋じゃなくて「台湾茶屋」だからな。
お茶自体の美味しさを味わい、タピオカを噛み潰して甘さを足す。これがタピオカドリンクが一番美味しくなるバランスだと私は完全に悟った。
そしてタピオカはやっぱりミルキーな飲み物と相性が良い。ただのお茶だけだとここまでリピートしたくなる味わいにはならないはず。太古の昔はココナッツミルクに沈んでいたのも頷ける。
過去のタピオカ体験と比べて、ジアレイの良かったところは、「氷が大きめ」、そして「氷の量は普通でもそこまでいっぱい入っていない」という点。
フレークサイズの氷をジャカジャカ入れてくるところだと、氷をかわしてタピオカを吸うのが大変。氷にそれなりの大きさがあれば、タピオカにターゲットを絞って容易に吸うことができる。
それでも「不器用の女王」の異名をもつハヨネコは、タピオカを吸うペース配分を誤り、このように大量のタピを底に残したままドリンクを吸い終えてしまう。
しかしジアレイでは、この状態においては氷がそこまで残っていない。ストローを吸えば素直にタピオカが口元にやってきてくれてストレスが無い。
いやぁ美味しかったよ。ありがとう鹿。
やっぱり流行るものには理由があるな…ということがよく分かりました。
ジアレイでは、氷・甘さに加えて、温度もチョイスすることができる模様。
そもそもお茶が美味しいんだから、あったかいのあるなら飲んでみたいよね…と思っていたところ。さすが本家。
オーロラドリンクみたいな写真映えしそうな飲み物も美味しいんですかね。流行りが落ち着いたら色々飲んでみたい…
ということで、流行りの下流から(糖朝は台湾スイーツ屋ですが)どんどん上っていって原点に辿り着いてみると、すんごい実力派だったりするので、流行りものだからと侮ってはならない、、というお話でした。
日本橋高島屋のピークスピークカフェで飲める、タピオカロイヤルミルクティーも美味しかったです。氷が大きくてタピオカ吸いやすい。
SO2にこういう敵いたよね pic.twitter.com/5yDWNq4v53
— ハヨネコ (@hayoneko3) 2019年10月14日
氷の穴にタピオカがはまるねん