ハヨ旦那転職列伝・壱 〜疲れたサラリーマン〜
この街あの街どんな街
どんな街にも疲れたサラリーマンが溢れている
そう それがこのニポンJAPAN
あんな大人にはなりたくない
そう思っていた青少年たちも気づけばみんなそちら側
某N市
例外なくそんなサラリーマンになってしまった30代男性が一人
夜も更け込んだ時分に職場からヘロヘロと抜け出していた
いつものことである
彼の名はハヨ旦那
このブログの筆者・ハヨネコの夫である 犬派である 若旦那の要領で呼んでほしい
ハヨ旦那はリーマンショック後に就活する羽目になった不運な大卒である
何十社と受けた会社の中から唯一内定をくれた今の会社に勤め始めて早10年
営業マンとしてN市の内外を飛び回りまくり合間を縫って書類を作りまくる毎日を送っていた
そして気づけば時計は22時を指している
こんな日々が就職してからほぼずっと続いていた
ただでさえ残業が鬼なのに休日出勤も多い
休みの日もいつ鳴っても不思議ではない社給のPHSを常に携えていなければならない
そして分かっていた
この会社にいる限り この日々は延々と続くということが
層が薄いのだ
めちゃ薄なのだ サガミオリジナルぐらい薄いのだ
自分と同年代またはすぐ上下で同じような仕事ができる人間が全然いない
仕事を分けあえるピーポーがいないのだ
それなのに会社は一向に人を増やそうとしない
そればかりかデスクに着くと
目の前には何してるか分からないオッサンがいつも座っている
どんどん仕事が辛くなるのが目に見えている
毎日帰りも遅くこれといった趣味も特にない
なんのために生きているのか分からない
数年前まではそうだった
しかし今の俺にはミラクルスーパー超美人で頭も良くて仕事もできて性格もめっちゃ良くて料理も激うまい奥さんがいる
奥さんこそ俺の生きがい
俺は奥さんと出会うために生まれてきたのだ
家に帰れば奥さんがいる 奥さんがいれば俺は幸せだ 辛い仕事も頑張れる
ハヨ旦那は激務で頭がおかしくなってしまい
彼の世界では絵柄すら一致しないほどハヨネコが美化されている
実際こんななのに
側から見れば大変可哀想だが本人は幸せなのだ 幸せは人それぞれなのだ
何かを変えなければいけないと分かりつつも日々に流されてしまう
でも奥さんがいればそれでいい ハヨ旦那はそう思っていた
しかし奥さんはそう思ってはいなかった
「おかえりー」
「私、東京に転勤するから」
?!
次回、「ハヨネコ、東京行くってよ。」 Coming Soon...