ハヨネコ缶

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ハヨ旦那転職列伝・伍 〜オレより強い奴に会いに行く〜

前回

hayoneko.hatenablog.com

キャリアの軸を探すべくワークショップに行ったけど、自分は軸がない無脊椎動物だと思い知って悲しくなったハヨ旦那。

 

転職に関する情報収拾を始めてからも、平日のハヨ旦那、もとい、ハヨ旦那の会社の部署の人々は、相変わらず仕事に追われていた。

しかし、そんな状況から離脱した人間が、1人存在した。

とある休日の夜、ハヨ旦那はその人物を駅へ呼び出した。

 

「ハヨ先輩〜、お久しぶりです〜。」

 

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駅に現れたのは一匹のパグだった。

シワシワの顔の中、夜の街の灯りに照らされて輝く瞳がチャーミングであった。

 

「やぁ、西堀くん。久しぶり、元気そうで何よりだよ。」

 

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今日のハヨ旦那はイキっていた。

そう、西堀くんは会社の後輩「だった」パグである。

ハヨ旦那の会社から転職して、今は大手メーカーで働いていた。

 

そしてハヨ旦那は、後輩など、自分より立場が下っぽい人間の前だと若干イキリがちだったのだ。

「ハヨ先輩、プライベートだと雰囲気変わりますね…久しぶりなせいですかね?」

「そうかな、いつもの俺だけど(笑)さぁ、今日は聞かせてくれよ。転職のHA☆NA☆SHI」

「ええ。お店は目星をつけてあるんで、行きましょう」

 

 

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西堀くんが案内してくれたのは、チェーン店だが落ち着いていて、ゆっくり二人で話をするにはぴったりの居酒屋だった。

二人はビールで乾杯した。イキリながら飲むビールは格別だった。

料理もいい感じに西堀くんがチョイスしてくれ、ビールが空になりそうになると、西堀くんがすかさず次の注文を促してくれた。

西堀くんはかわいいだけでなく、とても気がきくパグだった。

 

ハヨ旦那は営業一本で10年近く働いているが、前職時代の西堀くんは、営業から途中で異動させられ人事の仕事をしていた。

西堀くんの気配りは、営業仕込みのそれであった。

人事の仕事といえばマニュアルに沿っていてやり方がかっちり決まっているようなイメージが筆者にはあるが、西堀くんが直面した人事の仕事はそれとは全く違っていた。

簡単に言えば、なあなあなのである。

人依存の仕事が多い。そしてその人材の層は、やはりサガミオリジナル程度の厚みであった。(参考:第一話 

「このままだと、自分に何の専門性も身につかないまま、働き盛りの時間がただただ過ぎて行ってしまうと思ったんです。それで、行動を開始しました。」

「そうか、エライな。。転職活動の軸っていうのかな、そういうのはあったの?」

「はい。せっかく人事の仕事をやらせてもらったのでそれをベースにしつつ、でも大きい組織で型がしっかり決まっているところで力をつけたかったんですよ。それから業種としては云々…」

(やはり軸はあるのか…しかも超スラスラ出てくるやんけ…)

ハヨ旦那は、自分の転職活動レベルがまたランクダウンしたような気がして、ガッカリした。

 

「具体的には、どうやって転職活動を進めたんだい?」

ハヨ旦那は軸が無いのはもちろん、どうやって転職活動をするのかも全然イメージがついていなかったので、西堀くんの優しさに甘えてとても基本的なことを聞いてみた。

「僕は転職エージェントをフル活用しました。」

「エージェント」

ハヨ旦那は自分の脳内辞書をフル稼働させた。

 

マトリックスのアレね。」

「違います。」 

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西堀くんの顔はウルウルの瞳ではなく深い皺がより強調された趣になっていた。

「ごめん。」

ハヨ旦那は犬だけでなく、洋画好きでもあった。

「エージェントって、要は転職先を斡旋してくれるところでしょ?色々あるみたいだけど、どこを選べばいいのやら…」

「エージェントには2種類あるんですよ。」

 

西堀くんの言うことには、エージェントには直接型と間接型があると言う。

ひとりのエージェントが求職者と会社を直接マッチさせるのが、その名の通り直接型である。

一方、エージェント会社の中で、求職者担当と会社担当が別れており、その担当同士のやり取りでマッチングされるのが間接型だ。

(※これはハヨ旦那から聞き取りした内容なので、一般的に言うとちょっと言い方が違うかもしれないけどご容赦願いたい。)

大手のエージェントは間接型が多く、担当が分かれているため提案できる内容が広いようで、転職活動初心者には敷居が低いようである。

 

「うちの会社って、正直ショボショボじゃないですか。僕は直接型と間接型の2つのエージェントに登録したんですけど、直接型の方には『この経歴だと正直ツライですね…』と言われちゃいましたよ。ハハハ…」

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めちゃめちゃためになったー!

ハヨ旦那のイキリの象徴であるサングラスは音も無く砕け散った。

西堀くんは完全にハヨ旦那より強者だった。

そんな西堀くんでも、うちの会社に就職してしまったがために転職市場では弱者扱いされてしまうこともあるのか…。

その上、軸なし無脊椎動物である自分は転職できるのであろうか。

 

とりあえずうちに帰ったら、西堀くんに薦めてもらったエージェント、登録しよ。

ハヨ旦那は心を入れ替え、西堀くんに丁寧にお礼を言い、食事代を奢り、お開きとしたのであった。

西堀くんもウルウルのおめめを輝かせお礼をした。

「ありがとうございました。ハヨ先輩も頑張ってください!

 そうだ、僕が転職活動で参考にした本があるんです。あとでLINEでタイトル送っておきますね。それじゃあ失礼します。」

 

 

次回 「とある転職の禁書目録」 Coming Soon...